ジクス株式会社

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画像処理技術による、印刷関連検査システムの開発・設計・製作・販売

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印刷検査について

検査装置について検査装置による投資対効果検査装置 導入の手引き

検査装置による投資対効果

1.検査装置による投資対効果の算出例

時間稼働率と機械の故障による停止時間の算出

検査装置を導入した場合の効果としては、〜有益性の中で説明いたしました製造工程での能率アップ以外に、「品質保証の差別化」による営業的競争力や、オペレーターの負荷軽減による労働環境の改善等もありますが、ここでは製造工程における費用対効果を考えてみたいと思います。

まず、導入の効果を数字で算出するには、現時点(導入前時点)での稼働率等数値データーが必要です。

  1. 1.導入予定工場(機械)における時間生産高(金額)
  2. 2.時間稼働率
  3. 3.速度稼働率
  4. 4.良品率

1.の時間生産高は、月次報告書等から算出できると思います。これがすべての計算の元データーとなります。
2〜4に関しては、「検査装置の有益性」の中で説明してきましたが、これらを個別に求めておく必要があります。
これらを今までデータとして整理していない場合は、少なくとも6ヶ月程度に渡ってデータ収集と分析が必要です。

時間稼働率は

時間稼働率=(負荷時間−停止時間)/負荷時間

で求めます。

負荷時間とは工場の稼動可能時間の事ですが、負荷時間と負荷時間から機械が停止又は調整等のために実生産をしていない時間を引いたものとの比率が、時間稼働率となります。
時間稼働率は切り替えロス、調整ロス、故障ロスの3つそれぞれの理由によるものへ分類して、それぞれを改善する場合に、着手前と後の目標値、又は改善の効果を算出する目的に使用します。

  • 1.切り替えロス

    仕事の切り替えの為に、インキ替え(コーター液替え)、版替え、用紙の準備等によって機械を停止する時間。

  • 2.調整ロス

    刷り出し時の色調整、見当調整等、機械の調整により正紙の印刷へ入れない停止時間又は調整運転時間

  • 3.故障ロス

    機械の故障、修理等による停止時間

インライン品質検査装置で改善できる時間稼働率は、故障ロスになります。

よって、時間稼働率の算出と共に、故障による機械の停止時間を計算しておきます。
機械の故障時間は、使用年数と過去のメンテナンスによって変わってきます。
使用年数が長いほど、故障による機械の停止時間が大きくなり、又メンテナンスが十分でないほど故障の頻度が高くなります。
よって、品質検査装置を設置する予定の印刷機によって、故障による機械の停止時間、つまり故障ロスが異なりますので、時間稼働率は当然、機械毎に管理されている必要があります。
逆に言えば使用年数が長い機械ほど、検査装置導入による時間稼働率の改善が見込めるということです。

次回は速度稼働率算定について考えてみたいと思います。

2.検査装置による投資対効果の算出例

速度稼働率

インライン品質検査装置の有益性(4)の中で、速度稼働率とは運転速度/仕様速度であると書きました。
つまり、前回求めた停止時間から運転時間がわかりますので、運転時間中の機械平均速度と機械の仕様速度との比率が速度稼働率となります。
つまり準備や切り替え、機械故障のために停止していた又は、本生産に入っていなかった時間を除き、純粋に正紙印刷中の運転速度の平均を求めます。

通常インライン品質検査装置の導入により、運転速度は現在の運転速度から10%程度上げることは見込めると考え、効果算出して良いと思います。
ただし既に、仕様速度に対して高い目標値を設定して取り組んでいおり、さまざまな対策の結果、速度稼働率がかなりのの改善を達成している場合には、それを考慮して効果速度の増加分を考える必要があります。

有益性(4),(5)の中で説明しましたが、インライン品質検査装置を取り付けた場合に、速度稼働率の改善はそのまま速度を上げる第一段階と、半年〜1年と時間をかけて、印刷室や紙置き場の環境改善、インキ、水、機械調整、メンテナンス等の改善により、仕様速度に近づけてゆく第二段階があることを書いておりますが、第二段階においての目標速度は、その刷り本の条件により可能最大速度は異なりますので、ここで数値を定量化することは控えさせていただきます。
いずれにしても、現時点での仕様速度との比率改善分が速度ロス改善になります。

例として、
印刷の種類:パッケージ印刷

  • 現時点運転時間平均印刷速度

    8,500枚/時

  • 機械仕様速度

    3,000枚/時

  • 第一段階での速度目標値

    9,400枚/時

  • 第二段階での速度目標値

    10,000枚/時

  • 負荷時間

    8時間

  • 時間稼働率

    60%

  • 時間生産高

    25,000円/時

  • 年間稼働日数

    300日

とした場合、速度稼働率増加による時間換算の値は
8時間×60%×100×(1-(8500/10000))=43.2分

年間 300日稼動で 216時間 金額換算で¥5,400,000.-が改善されることになります。

次回は良品率算定について考えてみたいと思います。

3.検査装置による投資対効果の算出例

良品率

良品率とは、印刷した数量に対して、正紙として出荷できる良品数量の比率となります。

良品率=良品数量(正紙数量)/印刷数量

良品率の改善を金額換算するのも速度稼働率の場合と同様に、時間生産高を使用して算出します。
そのため、導入予定機械にける少なくとも直近3〜6ヶ月における刷り直しに要した時間を収集する必要があります。
刷り直しの原因が全てインライン品質検査装置で発見できるかどうかは、機械ごとによって統計を取らねば分かりませんが(デリバリでのこすり、版キズ等もあるため)、最終的には、今まで書いてきましたが故障ロス、速度ロス改善の過程で、上流側の殆どの品質不良を解消できるという考えから、ここでは刷り直し時間を無くすことを目標値として設定しました。

例として

  • 直近6ヶ月において刷り直しに要した時間

    800分/月

  • 時間生産高

    25,000円/時

とした場合、良品率改善による時間換算の値は
800/60×25,000×12ヶ月=¥4,000,000.-

が改善されることになります。

但し良品率の改善には、インライン品質検査装置の運用方法が非常に重要になります。
運用方法を誤ると、良品率の改善どころは行えず、場合によっては悪化することさえあります。
この点当社では運用技術を重視しており、導入前段階からさまざまな視点、角度からコンサルティングサービスを行います。

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